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FDI・投資

ベトナムの対外投資に関する分析

ベトナム経済は、1986年に市場志向型の経済改革を導入し…

David Lang 執筆者 Founder & CEO, Viettonkin; FDI and Fortune 500 Consultant
· · 1 分で読めます

ベトナム経済は、1986年に市場志向型の経済改革を導入して以来、域内でも最も速い成長率の一つを記録してきました。同国は前進を続け、30年以上にわたるグローバルな統合と繁栄を経て、域内最大の投資先となっています。投資分野の規模の拡大と多様なビジネス形態の広がりは、いずれもベトナムの対外投資活動が急速に伸びていることを明確に示す兆候です。 

ベトナムにおける対外直接投資(FDI)の概況 

ベトナムの対外投資総額

計画投資省によると、2022年12月20日時点の累計で、ベトナムには有効な対外投資プロジェクトが1,611件あり、登録投資資本の総額は217億5,000万米ドル超に上ります。具体的には、国有企業によるプロジェクトが139件あり、投資総額は約116億米ドルで、同国の投資資本総額の53.5%を占めています。

2022年、同国の新規登録投資と追加投資の合計額は約5億3,400万米ドルに達しました。うち、資本調整を登録したプロジェクトが26件で1億740万米ドル、新たに投資登録証明書を取得したプロジェクトが109件で、登録資本の総額は4億2,660万米ドルとなり、プロジェクト数で78.7%増、前年比で4.3%増となっています。 

2018年から2022年までのベトナムの対外直接投資(単位:100万米ドル)
(2022年12月22日時点で有効なプロジェクトの累計)。出所:計画投資省外国投資庁

投資分野別の内訳

近年、ベトナムの投資家は、かつてのように農業、林業、鉱業に多額の資金を投入するのではなく、製造業やハイテク産業に投資するという新たな傾向が生まれています。

2022年12月時点で、ベトナムの投資家は海外の14分野に投資しています。投資額が2億5,190万米ドル超と最も多かったのは加工・製造業で、新規登録プロジェクトは15件、資本総額の55.2%を占めています。次いで不動産業が新規プロジェクト2件と3回の資本調整で7,680万米ドル、全体のほぼ14.4%に相当します。その後は卸売・小売業、鉱業、農業、林業、水産業などが続きます。

投資先国別の内訳

数年前までは、ベトナム企業の大半はアフリカの途上国や、ラオス、カンボジア、ミャンマーなどの近隣市場に投資していました。しかし、企業がより大きな機会を求めて、米国、ドイツ、オランダといったリスクは高いものの、より成熟した経済圏に絶えず進出するようになり、状況は大きく変化しています。

これまでに29の国・地域がベトナムの投資先として記録されています。最大の投資先はシンガポールで、新規登録プロジェクト21件と資本調整プロジェクト3件、投資額は7,950万米ドルと、投資資本総額の14.9%を占めています。ラオスが約7,050万米ドルで2位となり、投資資本総額の13.2%を占めています。以下、オーストラリア、米国、ドイツ、オランダが続きます。 

国・地域別に見たベトナム企業の対外直接投資(OFDI)
(2022年12月20日時点の投資資本累計)。出所:計画投資省外国投資庁

ベトナムの大型対外投資プロジェクト

ベトナム企業による海外投資は、多くの大型プロジェクトとともに増加傾向にあります。こうしたプロジェクトの多くは技術、ゴム、コーヒー生産の分野で大きな成功を収め、本国へ利益を送金し、国際収支の均衡と同国の外貨準備高の増加に貢献しています。

ベトテル(Viettel)

世界市場で15年間事業を展開してきた軍事通信大手のベトテルは現在、11の国・地域で3,500万人以上の利用者を抱えるとしています。また、加入者数では世界の通信企業トップ30にランクインしています。

ラオスとカンボジアで事業を開始してから2年後、ベトテルは利用者シェアの面で両国を代表する通信企業となり、そのシェアはそれぞれ35%と57%に達しました。

ベトテルはまた、モザンビークやタンザニアといったはるかに遠い国々、さらにはペルーやミャンマーといった難易度の高い市場にも進出しています。「アフリカの奇跡」と称されるモビテル(モザンビークにおけるベトテルのブランド)は、7年間の事業期間で最も高い成長を遂げ、加入者数は450万人近くに達しました。

ヌトリフード 

2022年9月21日、ヌトリフード・ニュートリション・フード株式会社は、その子会社であるヌトリフード・スウェーデン(スウェーデン)が、EUで確固たる地位を築くサプリメント企業Cawellsの株式の最大51%を取得したと発表しました。同社の担当者は、この戦略的な動きにより、アジア市場のサプリメント業界で新たなトレンドを先取りし、他の競合他社をリードできるとの見方を示しています。

ビングループ(Vingroup) 

ベトナム最大のコングロマリットであるビングループの一事業部門は、米国市場を主要ターゲットの一つに据えました。これは、GM、フォード、テスラといった既存企業や、EV新興企業のリビアン、フィスカーと競合することになる野心的な取り組みです。 

同社は、初の米国工場団地に総額40億米ドルを投資する計画を発表しました。自動車メーカーのビンファストは、電気バスやスポーツ用多目的車(SUV)、EV用バッテリーを生産する工場をノースカロライナ州に建設するため、まず20億米ドルを投資する予備契約に署名しました。

チュングエン・レジェンド(Trung Nguyen Legend) 

2022年9月下旬、ベトナムのコーヒー大手は、活気ある国際都市・上海にコーヒーの世界の多様性を届けることに成功しました。上海はチュングエン・レジェンド・チャイナの本社オフィスがあり、同社初の海外旗艦店が置かれる場所でもあります。 

中国市場に参入して以来、チュングエン・レジェンドは常にベトナムのコーヒー文化を伝えることに注力しながら、プロフェッショナルな品質を追求してきました。その看板商品であるインスタントコーヒー「G7」もコーヒー愛好家の間で広く知られており、2022年初め以降、中国で8億杯を販売しています。 

今後の課題 

こうした明るい数字にもかかわらず、世界市場におけるベトナム企業の投資の道のりは時に厳しいものです。政府報告書によると、損失を計上したプロジェクトは44件に上り、2021年の累計損失額は13億3,000万米ドルで、2020年比42%増となっています。

現時点まで、ベトナム政府は対外投資を促進・奨励する明確な仕組みを十分に整備しておらず、国内投資家の海外投資に関する具体的な規制も定めていません。投資先の経済・政治・社会・治安面での変動、石油・ガス探査や鉱物採掘といったリスクの高い投資分野、受入国の政策・制度の変更や透明性の低さ、現地投資家の予測・計画能力の限界などが、投資効率を低下させてきた要因です。

ベトナムの対外投資を後押し

対外投資の効率を高めるため、ベトナム政府は国会に対し、ベトナムの国有企業および国有資本を持つ企業の投資を受け入れる国々との国家間の外交関係を円滑にするよう提案しました。さらに同国は、受入国がより多くの優遇措置と一貫性のある透明な政策を採用し、ベトナムの投資家が市場に参入しやすい安定した健全な環境を整えるよう働きかけを進めています。 

多くの専門家は、近い将来、民間企業がより力をつけ、政策体系が整備されれば、ベトナムからの新たな対外投資の波が起きるのは時間の問題だと見ています。

ベトナムは新たな対外投資の波に期待

外国投資企業協会(VAFIE)会長のグエン・マイ博士(教授)は、ベトナム企業の対外投資は多くの巨大プロジェクトとともに前向きに変化していると述べています。将来的には、ベトナム企業の海外投資額は現在の年間約7億米ドルから年間10億米ドルを超える可能性があります。技術、ゴム、コーヒーに関する多くのプロジェクトが大きな成功を収め、多額の利益を本国に還元し、国際収支の均衡と外貨準備高の増加に貢献しています。

経済学者のチャン・ドゥ・リック博士も、外国企業がベトナムのブランドを買収しようとする状況の中で、ベトナム企業がグローバル規模で事業を拡大するために外国企業を買収する動きを一貫して続けている事実は、同国経済の発展過程における大きな転換点と捉えられると付け加えています。そのため、多くの専門家や政策立案者は、外部資源から得られる利点を最大限に活かし、地域・国際舞台における同国の立場と地位の向上に寄与するため、ベトナムが対外投資を加速させるべきだと訴えています。

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David Lang
執筆者

David Lang Founder & CEO, Viettonkin; FDI and Fortune 500 Consultant

Trường (David) Lăng, Founder & CEO of Viettonkin, is a disti…

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