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FDI・投資

ベトナムの産業用ポンプ市場:投資家が見逃してきた有望分野

水ポンプ市場は、ベトナムの現在の経済において、特に産業用…

David Lang 執筆者 Founder & CEO, Viettonkin; FDI and Fortune 500 Consultant
· · 1 分で読めます

水ポンプ市場は、ベトナムの現在の経済において、特に産業用水ポンプ分野が重要な役割を担っています。同分野は、国の都市化と工業化を支え、世界経済へのより深い統合に向けた歩みを後押ししています。しかし、市場の現状を見ると、資金の流入はまだ不十分であり、開拓されていない大きな潜在力が残されています。そこで本稿では、ベトナムの産業用水ポンプ市場をより踏み込んで分析し、この有望なセクターについて、より包括的な視点を提供します。

世界のポンプ市場の現状

ポンプ市場は、水管理、化学、石油・ガス、発電といった産業にとって不可欠であり、とりわけ途上国で重要性が高まっています。2023年の世界市場規模は、対象範囲や定義によって数値が大きく異なります。IMARCは、世界の産業用ポンプ市場を2023年に約678億米ドルと推計する一方、Global Market Insightsは約444億米ドルとしており、比較にあたっては定義の確認が必要です。

Future Market Insightsによれば、世界の産業用ポンプ市場は2024年に680億米ドルに達し、2034年には1,135億米ドルへと、予測期間中に年平均5.3%で成長する見込みです。遠心ポンプは最大の製品セグメントの一つであり、調査会社の予測では、年平均5%台で成長するとされています。世界市場の主要企業には、KSB SE & Co. KGaA、ザイレム(Xylem)、スルザー(Sulzer)、酉島製作所、ダンフォス(Danfoss)、ITTなどが挙げられます。

ベトナムの水ポンプ市場と主要企業

ベトナムでは、特に新型コロナウイルス感染症の流行以降、水ポンプ市場への関心が近年高まっています。エバラ製標準ポンプの正規代理店であるQuang Phuoc PEによれば、2019年は建設ブームに牽引されて大きく成長し、年平均成長率は9.3%でした。2019年末時点の標準的な産業用水ポンプ市場の規模は、約1億4,400万米ドルでした(コロナ禍前のデータ)。より直近では、調査会社The Report Cubesが、ベトナムのポンプ市場(水ポンプ以外を含む)を2023年に約7億8,910万米ドルと推計しています。

今後については、MarkNtel Advisorsの予測で、ベトナムの水ポンプ市場は2024年から2030年にかけて、年平均約8.3%で成長する見込みです。成長を牽引するのは、都市化、工業化、インフラの拡充です。人口の増加と産業部門の発展は、水ポンプの需要を大きく押し上げてきました。特に、ベトナムの大規模な農業部門は、灌漑のために水ポンプに大きく依存しています。

その結果、ベトナムの水ポンプ市場は非常に多様であり、次のようなセグメントにわたっています。

  • 農業用ポンプ: 灌漑用ポンプ、排水ポンプ、太陽光発電式ポンプ
  • 産業用ポンプ: 遠心ポンプ、水中ポンプ、加圧(ブースター)ポンプ、定量ポンプ
  • 都市・インフラ用ポンプ: 給水ポンプ、下水・汚水ポンプ、雨水・排水ポンプ
  • 住宅・家庭用ポンプ: 家庭用給水ポンプ、加圧ポンプ、井戸用水中ポンプ
  • 治水・防災用ポンプ: 大容量の排水ポンプ、移動式・緊急用ポンプ
  • 再生可能エネルギー駆動のポンプ: 太陽光発電式水ポンプ、風力発電式水ポンプ
  • 水処理・海水淡水化用ポンプ: ろ過システム用ポンプ、逆浸透(RO)ポンプ
  • 消防用ポンプ: 消火ポンプ
  • 特殊用途ポンプ: 化学薬品用ポンプ、スラリーポンプ
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グルンドフォス・ベトナムは2023年、スマートで持続可能な都市の成長を支える片吸込渦巻ポンプの新シリーズを展開しました。NKおよびNKEシリーズは、エネルギー効率、接続性、耐久性の面で進化を遂げています。より最近では、2024年6月26日に、エバラ・ベトナム・ポンプ(EBARA VIETNAM PUMP CO., LTD.)が、ハイズオン工場でセミナーを開催し、将来の洪水排水用途を見据えた大容量ポンプを紹介しました。毎秒10立方メートルを超える能力を持つポンプをベトナム国内で製造できることを示すものです。

エバラ・ベトナムは、日本の産業機械大手である荏原製作所(EBARA)のグループ会社です。同社は1995年、荏原製作所とハイズオン・ポンプ製造会社の合弁事業(EBARA Hai Duong)として設立され、2011年に荏原製作所の完全子会社となり、2012年にEVPCに社名を変更しました。20年以上にわたり、ベトナムのインフラ整備に貢献してきました。同様に、韓国のDOOCHグループも、2019年5月31日にベトナム市場へ正式に進出しました。

水ポンプ市場の将来トレンド

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太陽光発電式の水ポンプは、新たなトレンドの一つです。

前述のとおり、ベトナムの水ポンプ市場の成長率は非常に有望であり、特に遠心ポンプを含む産業用ポンプ分野において、今後数年間で大きな拡大を遂げる土台が築かれています。この傾向はベトナムにとどまらず、この分野に対する世界的な関心の高まりもさまざまな指標に表れています。

また、世界の石油精製能力は2022年に日量約1億200万バレルに達し(前年比0.5%増)、遠心ポンプの需要をさらに押し上げています。2021年から2025年にかけて稼働開始が見込まれる製油所関連プロジェクトは416件(うち新設は約93件)とされ、いずれもこの市場の発展に重要な役割を果たします。

ベトナムでは、化学産業の戦略(2022年6月16日付首相決定第726/QĐ-TTg号)が、2030年まで年平均10〜11%の成長を目指し、工業全体に占める化学産業の比率を約4〜5%とする目標を掲げています。この成長見通しは、産業用水ポンプ市場にとって好材料であり、とりわけ遠心ポンプを中心に需要を押し上げます。

容積式ポンプ市場も、遠心ポンプ市場と並んで有望な成長を見せています。Mordor Intelligenceによれば、世界市場は2022〜2027年に年平均4.8%を超える成長が見込まれ、その主な要因は、水処理・排水処理技術の進歩です。国連大学の2020年の報告書によれば、高所得国は産業排水と都市排水の74%を処理しているのに対し、中高所得国では43%、中低所得国では26%にとどまります。

現在、産業用水ポンプ市場は、次のような新たなトレンドの影響を受けています。

  • IoTと連携したスマートポンプ: センサーとIoT技術を搭載したスマートポンプの導入が広がり、性能の監視と信頼性の向上が可能になります。
  • 持続可能な水管理: 水の保全と効率的な排水管理を実現するソリューションへの需要が高まっています。これらは、環境保護と、資源が乏しくなるなかで清潔な水を確保するという重要課題への取り組みを後押しします。
  • 再生可能エネルギー駆動のポンプ: 太陽光発電式の水ポンプは、特に電力系統が不安定な農村部で普及が進んでおり、省エネルギーと環境保全に貢献しています。

投資家にとっての成長要因

ベトナムの水ポンプ市場は、成長に向けた安定した土台を築いています。加えて、国の発展ロードマップに沿った政策の見直しにより、市場拡大を加速させる主な要因が整いつつあります。

  • 工業の成長: ベトナム統計総局(GSO)によれば、2024年通年の鉱工業生産指数(IIP)は前年比8.4%増加し、なかでも加工・製造業は9.6%増(2023年は1.5%増)を記録しました。この上昇傾向は、さまざまな産業で水ポンプの需要を押し上げるとみられ、ベトナムへの投資家にとっての機会を生み出します。
  • 農業部門: 農業は引き続きベトナム経済の重要な柱です。農林水産物の輸出額は2023年に530億米ドルで、貿易黒字は120億7,000万米ドルでしたが、2024年には過去最高の624億米ドル(前年比18.5%増)に達しました。灌漑や排水のための農業用水ポンプに対する強い需要を示しています。
  • 都市化とインフラ: ベトナムの都市化は進行しており、政府は都市化率を2025年までに45%以上、2030年までに50%超に引き上げることを目標に掲げています(政治局決議第06-NQ/TW号、政府決議第148/NQ-CP号)。この拡大に伴い、給水・排水システムの整備が不可欠となり、水ポンプが重要な構成要素となっています。
  • 政府の政策: ベトナム政府は、水力・火力を含む電源開発など、インフラ整備を優先課題に位置づけています。給水インフラの更新には約300億米ドルが必要とされ、政府は近代化に向けて民間投資を積極的に求めており、水ポンプの市場需要をさらに押し上げます。

投資家にとっての課題

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ホアビンダムは、東南アジア最大級の水力発電ダムの一つです。

水ポンプ市場の成長を後押しする強力な要因があるにもかかわらず、投資家は大きな課題にも直面しています。主な障壁の一つが、エネルギーコストの高さです。現在、省エネルギー型ポンプが強く選好されており、市場の要請に応えるための技術転換が必要です。しかし、こうした新技術の導入に伴う初期コストの高さが、転換のペースを妨げる可能性があります。

もう一つの課題は、競争の激しさです。ベトナムの水ポンプ市場には、国内外の数多くの有力ブランドが参入しており、さまざまな市場セグメントに対応する幅広いポンプを提供しています。その結果、競争が激化しており、投資家は、効果的な市場参入戦略を策定し、競合の徹底した分析を行う必要があります。

最後に、政府は給排水システムの近代化と水力発電プロジェクトの建設に向けた政策を打ち出しているものの、これらの取り組みはまだ初期段階にあります。そのため、水ポンプ、特に産業用ポンプの需要は、まだ大きな急増を見せていません。さらに、ベトナム政府は、水ポンプ市場の投資に特化した政策を導入していません。投資家は、投資法に基づく投資政策や規制を十分に精査し、利用可能なインセンティブを把握するとともに、違反を避けるために国の規制を遵守する必要があります。

結論

総じて、水ポンプ市場は、ベトナムの経済発展において重要な役割を果たし続けています。同国の発展が続くにつれ、工業生産と農業生産の双方を支えるための水ポンプに対する需要は、持続的に見込まれます。ベトナム政府もまた、水ポンプ市場の潜在力を、国内経済の成長のみならず、国際的な投資家の誘致という観点から認識しています。税制優遇やインフラ整備の取り組みが進められており、この「隠れた機会」を有望な投資先へと転換しようとしています。投資家にとって、この市場は拡大する機会を提供しています。誰がその機会を捉え、この成長を取り込み、ベトナムの水ポンプ市場に確固たる足場を築くのか。その答えは、まだ出ていません。

David Lang
執筆者

David Lang Founder & CEO, Viettonkin; FDI and Fortune 500 Consultant

Trường (David) Lăng, Founder & CEO of Viettonkin, is a disti…

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