ベトナムは電気自動車の特別消費税と登録料を引き下げます。こうした政策は、現在スタートラインに立つベトナムの電気自動車市場が急速に発展するためのてことなると期待されています。ベトナムは電気自動車の波に先手を打つ政策を整えています。

検討期間を経て、ベトナムは電気自動車の開発を促すより強力な政策を打ち出しました。政府は先ごろ、登録料を定める政令を公布し、その中で、バッテリー式電気自動車は2022年3月1日から3年間、登録料が免除されます。初回登録料は、向こう2年間、同じ座席数のガソリン車・ディーゼル車に課される料率の50%に相当する率で納付することになります。この新政策は、電気自動車の保有を検討しているベトナム市場のユーザー層の注目を集めています。
以前、国会も電気自動車の特別消費税の引き下げに合意しました。これは生産への投資を促し、電気自動車の開発機会をいち早くとらえることを狙ったもので、それにより車両の排出による環境汚染の削減にも貢献します。
具体的には、2022年3月1日から2027年2月28日までの間、9人乗り以下のバッテリー式電気自動車には3%の税率が適用されます。2027年3月1日からは税率が11%となります。10人以上16人未満乗りのタイプは2%、2027年3月1日からは7%です。
16人以上24人未満乗りの電気自動車には1%の税率が適用され、2027年3月1日からは税率が4%となります。一方、人と荷物の両方を運ぶタイプの特別消費税率は2%で、2027年3月1日からは7%となります。
その他のタイプの電気自動車には、タイプに応じて5~15%の特別消費税率が課されます。このうち、9人乗り未満の車には15%、人と荷物の両方を運ぶ設計の車には10%の税率が適用されます。
電気自動車にとって重要な2つの優遇政策が同時に施行され、ベトナムで「芽吹きつつある」電気自動車市場に多くの利益をもたらすと期待されています。
以前も、ベトナムには部品の組み立てや電気自動車の生産に対する減税政策がいくつかありましたが、メーカーにとって魅力的なものではありませんでした。国内の消費者とメーカーの双方を後押しする新たな政策は、てことなり、ベトナムとASEAN諸国のバッテリー式電気自動車産業の出発点がほぼ同じであるなかで、市場が自動車産業の一般的な潮流に追いつくのを後押しすると期待されています。
地域の一部の国と比べて実際に魅力的とは言えないものの、地域の他国より早く投資家を呼び込む優遇政策を実施することは、ベトナムでバッテリー式電気自動車を生産する国内企業にとって大きな機会を生み出します。
政策はあくまで短期的な解決策にすぎない
電気自動車の発展傾向を踏まえ、世界の多くの国が、メーカーと消費者の双方への直接補助金、免税、電気自動車開発への支援など、さまざまな措置を通じて電気自動車を推進しています。中国は電気自動車の生産と販売の促進に最も成功した国の一つとして知られています。
中国汽車工業協会(CAAM)によると、2011年に中国で販売された電気自動車は5,000台のみでした。2019年までに、この国で消費される電気自動車の数は100万台を超えました。消費の約8%を占めるにすぎませんが、中国を世界最大の電気自動車市場かつ生産国にすることに貢献しています。これは中国製電気自動車に対するより強力な政策のおかげです。
2009年、中国政府は電気自動車の生産と使用に対する手厚い優遇策を導入し始めました。メーカーは販売を促すために価格を引き下げる補助金を受け取ります。この補助金は1回の充電で走行できる距離に応じて計算されます。国は研究開発、電気自動車企業への直接投資、充電インフラに支出しています。直接的な値引きに加え、ナンバープレート登録への優遇政策もあります(交通量抑制の規制がある大都市向け)。
専門家によると、こうした政策は消費者と企業の信頼を高め、電気自動車の急速な普及を後押ししました。これは中国の電気自動車市場の繁栄を支える重要な役割を果たしています。
一方、ASEANでは、タイ、インドネシア、マレーシアがいずれも電気自動車への意欲を示しています。世界における主要な電気自動車生産「拠点」になるという野望を掲げ、タイは利用者への優遇策に加えて、電気自動車メーカーに多くの特典を与えています。
タイはプラグインハイブリッド車メーカーに3年間の免税を、バッテリー式電気自動車メーカーには一定の条件の下で最大8年間の法人所得税免除を提供しています。サプライチェーン上のメーカーも優遇策を享受します。タイは電気自動車の多くの重要部品やスペアパーツを優遇リストに追加しており、設備・部品メーカーは8年間法人税が免除されます。
研究者は、電気自動車市場を発展させるには、利用者への優遇策、メーカーへの優遇策、インフラ整備が重要な条件だと述べています。ただし、政府による政策は依然として短期的に市場を促進する措置としか見られていません。
市場促進策として維持されてはいるものの、一部の欧州諸国もこうした補助金プログラムの段階的廃止を検討しています。多くの自動車メーカーは、これらは短期的な措置であり、持続可能な電気自動車市場を生み出せないと懸念を表明しています。
専門家は、政府は電気自動車用充電ステーションなどのインフラ整備にもっと重点を置くべきだ、あるいは車両コストを下げるために電池工場の建設を支援すべきだと述べています。政府の補助金は多くの地域で電気自動車の需要を押し上げました。しかし、補助金、特に現金補助はコストがかかると見られており、中国で起きたことは持続可能な政策ではないという警告となっています。